榊原澪 | 在学生の声 | Beyond ICEPP - 大学院進学希望者特設サイト

素粒子物理国際研究センターを選んだ理由は？

もともと素粒子に興味がありました。学部3年のときの「物理学ゼミナール」というゼミ形式の授業で、ATLASのオープンデータを用いてヒッグス粒子発見の追体験をするという授業に参加して楽しかったことが実験に進む決め手になったと思います。そのときに担当されていた澤田先生が以前携わっていた実験としてMEG実験を初めて知り、調べていくうちに興味を持ちました。

実際に入ってみてどうでしたか？

良かったです。同期や先輩方は物理や検出器に対する知見の深いとても優秀な方々ばかりで、常に刺激をもらっています。一方で各々が非常にユニークな個性を持っており、そういった個性が尊重されるICEPPの雰囲気もあいまって、日々笑わせてもらっています。

学部生のころと比べて、変わったと思う点は？

学部生の頃は自分と近い属性の人々としか関わることがありませんでしたが、大学院ではMEGコラボレーションのメンバーや学会で出会う研究者など、幅広い人と交流する機会が増えました。特に、海外の研究者と英語で議論する機会が多くなったことは、大きな変化だと感じています。また、学部時代は人との交流にそれほど重要性を見出せていない部分がありましたが、先輩方を見ていて、人と議論したりコミュニケーションを取ったりすることが良い研究には不可欠だということを学びました。

研究は何が楽しいですか？何が大変ですか？

私は現在μ→eγ探索の将来実験に向けた研究を行っています。自分の研究が将来の発見につながるかもしれないというワクワク感がありますし、解析手法の工夫によって良い結果が得られたときの達成感は大きいです。一方で、自分の研究を他者に分かりやすく簡潔に伝えることにはまだ苦労しており、うまくいかなかったときや準備に時間がかかってしまうときに大変だと感じます。

大学院の生活はどんな感じですか？

週にいくつかのミーティングを除き、時間の使い方は完全に個人に委ねられており、自由に研究や勉強に取り組んでいます。周囲には好奇心旺盛な人が多く、学生同士で輪講ゼミが開催されているので、私も参加しています。
私は昨年秋から年末までPSIに滞在してMEG II実験が行われている現地で研究に従事し、オペレーションにも少し携わりました。海外での研究生活は全てが新鮮で、非常に楽しかったです。休みの日には研究室の人たちと遊びに出かけることもあり、クリスマスの時期に毎週各地のクリスマスマーケットを巡ったのは良い思い出です。