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Aoto Tanaka

石野研究室 博士課程3年

素粒子物理国際研究センターを選んだ理由は?

高校生の頃から、CERNのLHC実験に興味がありました。LHCの基幹プロジェクトATLAS実験に東京大学が参加していることは当時から知っており、大学院を目指す際、自分もその実験に関われたら嬉しいと漠然と考えていました。大学4年生の春、物理学専攻入試説明会とICEPPガイダンスに参加し、ATLAS実験で追求できる物理の多様性と、良いデータを取得するためにさまざまな技術開発が今後も必要であることを知り、特に電子回路の開発に憧れて、ICEPPへの入学を決意しました。

学部生のころと比べて変わったと思う点は?

私は、自分の意見や成果を人にわかりやすく伝えるのが苦手なため、入学当時は研究室内で考えを伝え、議論を深めることが全くできませんでした。研究遂行するうえで正確な意思伝達がとても重要だと痛感することが多かった印象があります。しかしながら、学会や国際会議での発表に向けたさまざまな練習の場でのアドバイスや、研究室の先生方の指導により、自分の考えを伝える技量が向上してきたと感じています。今でも未熟な点はあるものの、学部生の頃と比べると、自分の話に耳を傾けてくれる方は多くなったと感じています。日本物理学会2021年秋季大会では、「学生優秀発表賞」をいただきました。今後も研究の遂行と同時に、それを伝える能力もより一層磨きたいと思います。

研究は何が楽しいですか?何が大変ですか?

ICEPPでは実際に現地へ赴き、実験装置に触れ、技術開発を行ない、現場の最前線で実験データの取得に重要な貢献を果たすことができます。現場のプロがいる充実した教育環境で、将来のATLAS実験を支える大事な研究開発を自らの手で行なっていけることが、研究の楽しい点だと思います。ATLAS実験は世界40カ国と国際協力を行なっています。素粒子物理学の難問に立ち向かうべく皆と足並みを揃えて実験を遂行しなければいけません。そのため、限られた時間の中で、他のメンバーと協力して知恵を絞り、高エネルギー実験特有の困難な要請を満たす確かな成果をひとつずつ積み上げながら、自分達の研究開発を進めていきます。これが、ATLAS実験における研究の面白くも大変な点だと思います。

素粒子物理国際研究センターを目指す学部生にひと言!

石野研究室と奥村研究室は、共通の研究ターゲットを掲げ、ATLAS実験に共同参加しています。このラボでは、大学院生も一人の立派な研究者として独自の研究プロジェクトを持ち、主体的に周囲を引っ張って研究開発を進めています。素粒子物理や海外での研究活動に興味を持つ方にとって、ここには夢を実現できるチャンスがあります。是非、一緒に研究しましょう。