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Jiaqi Zang

田中研究室 博士課程2年

素粒子物理国際研究センターを選んだ理由は?

私は中国上海出身の留学生です。中学の時から物理が好きで、学部生の時に海外にはCERN等の研究機関が幾つもあることを知り、将来は素粒子に関係した研究者になることを考え始めました。学部は中国の大学で学びましたが、素粒子の研究フィールドは国際交流が多いため、大学院は海外での研究生活を体験してみたいと思いました。私は日本の文化に大変興味があり、日本語を学びながら、CERNと国際共同実験を行なえるICEPPを選びました。

実際に入ってみてどうでしたか?

ICEPPでの自由度は私が思ったより高いです。学生同士で仲良く喋ったり、先生と一緒に集中して議論したり、自由闊達なアカデミアの雰囲気を感じています。それに分からないところがあれば、先輩や先生方がいつも丁寧に教えてくださるため、新しい知識を習得したり、新しい体験をすることができ、毎日がとても充実しています。

学部生のころと比べて変わったと思う点は?

学部の時は授業を聞くのがメインで、ほとんどの時間は本を読んだり、方程式を計算していました。しかし、修士課程は授業だけではなく研究も行う必要があるので、やることは一気に増えました。プログラムコードを書いたりセミナーをやったり、参加するLHC-ATLAS実験メンバー内の会議や毎週の定例会合での発表もあります。研究活動、学習、娯楽のバランスをうまく調整する必要があるといった大変さも少し感じています。

研究の楽しさと大変さは?

新しいスキルや知識を学ぶ時は楽しいです。ATLAS実験グループに入って学んだ、加速器や検出器の動作原理は面白いです。それといろんな国の人と交流し、意見を交換するのは楽しいです。大変なところはやはりコロナの影響で皆であまり集まれないし、CERNへの渡航もいろんな基準をクリアしないと行けなくなったことです。もっと国際的な交流をやりたいですね。

大学院の生活はどんな感じですか?

学部生の頃とは違い、まずは自分自身の目標を決めないと進む方向を見失います。特に研究のテーマややり方は先生からのアドバイスだけではなく、自分の考えも含めて決めます。自分のミッションが明確だからこそ、大学院生活を有意義に過ごせます。田中研究室はATLASグループに属しているため、普段は自分のATLAS研究をやって、毎週の会合でその進捗を報告します。2022年からRun3が始まり、自分もCERNに長期滞在するようになりました。現地でいろんなエキスパートや研究の仲間と直接交流できるようになったので、研究の効率も上がりました。また、自分の研究も評価され、国際会議でポスター発表する機会も得られました。かなり忙しいですが、充実の大学院生活を送っています。

将来は?

将来はまた諸外国に行って、それぞれの違う研究生活を体験してみて、修士課程や博士課程で学んだ知識を上手く活用し、New Physicsの探索や新しい技術の開発を行ないたいと思います。コロナが将来にどう影響するのが全くわからない状況ですが、今は今できる最善を尽くすしかないです。

素粒子物理国際研究センターを目指す学部生にひと言!

ICEPPでの研究内容は加速器や検出器の研究だけでなく、量子コンピューティングといった新しいIT技術の研究もやっていますので、常に最先端の実験や計算機システムに触れることができます。海外の研究者たちとの交流も良い刺激になりますので、興味がある方は是非チャレンジしてみてください。