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Ren Nagasaka

奥村研究室 博士課程1年

素粒子物理国際研究センターを選んだ理由は?

一番初めにICEPPを知ったのは、東京大学理学部物理学科3年次に、澤田先生のゼミに参加した時がきっかけです。以前から素粒子物理に興味はありましたが、このゼミを通して素粒子実験の面白さを知り、ICEPPに行ってみようかなという気持ちになりました。その後、大学院進学の際にいくつか研究室訪問に行き、その中で今の指導教官である奥村先生に出会い、研究内容や熱意ある姿勢に共感し、奥村研究室に入りました。

実際に入ってみてどうでしたか?

僕は事前に研究室訪問を行なっていたため、悪い意味で想像と大きく異なるということはありませんでした。奥村研究室のウェブページに「総合力を持った若手人材の育成を目指します」とあるように、修士・博士課程を通じて装置開発から解析まで行なうことができます。また大学院生同士で研究内容が互いに少し被っているため、活発な議論を行なうことができますし、互いに切磋琢磨する環境が自然と構築されています。

学部生のころと比べて変わったと思う点は?

授業ではなく研究が主な大学での活動になり、また専門性が高度になった点です。学部学生のころは、授業が週に10コマ程度あり、内容も素粒子物理だけではなく広い分野に渡っていました。ICEPPに入ってからは、授業も週に数コマ程度で、研究を通して素粒子理論や高エネルギー物理学実験など、CERNのLHC-ATLAS実験に向けた知識・経験が重点的に得られるようになりました。

研究は何が楽しいですか?何が大変ですか?

楽しい点は、自分の興味やアイデアに従って研究を進められる点です。学部学生の頃とは違い、主体的に研究を進めていく立場になり、漫然と研究を進めるのではなく、目的と方法を強く意識するようになりました。「こうするともっと上手くいくのではないか」というアイデアが湧き上がってきて、それを形に作り上げていくのは楽しいですし、その結果が期待以上に上手くいくともっと楽しいです。大変な点は、今のところ特にないです。

大学院の生活はどんな感じですか?

今は授業が週に3コマあり、研究室のミーティングが週に2回あります。その他の時間は研究活動にあてていて、修士の間は主にATLAS実験のPhase-2に向けた実験装置(ハードウェア)の開発を行なっています。主に本郷キャンパスで活動していますが、徐々にCERNやKEKで活動する機会も増えてきています。ICEPPの大学院生室は大部屋で、他の研究室の大学院生もすぐ近くの席で研究しており、物理の話ができる人が身近にいることはありがたいです。時間の使い方や研究の進め方は自己責任を伴いますが、自身のバリューやリズムにあっていて大変充実しています。

将来は?

素粒子物理学の研究をこの先も続けていきたいと考えています。今の目標ではそのままアカデミアに残るつもりです。ICEPPではATLAS実験に参加していますが、その他にも興味のある素粒子実験は国内外にたくさんありますので、ATLAS実験にあまり拘らず、行けるところに然るべきタイミングで参加できればいいかなと思っています。ありがたいことに素粒子物理学にはまだまだ終わりが見えないので、自分の研究は一生続いていくような気がしています。

素粒子物理国際研究センターを目指す学部生にひと言!

ICEPPは非常に良いところです。他の大学や研究施設と比べても、学生にとって有益な教育研究環境が用意されています。ここなら熱意ある学生に様々な機会を提供してくれます。私の経験談ですが、学部4年生の頃から奥村先生とこまめにコンタクトを取っていた際、CERNのSummer Student Programmeに参加することを勧められ、そのプログラムへの応募・審査を経て、修士1年の夏にCERN渡航が実現しました。日本の研究室を離れ、物理、数学、計算機など各分野に関わる初対面の学生が集まる多国籍な環境で、約1カ月以上にわたって研究生活を送れたことは貴重な経験になりました。ICEPPに進学するかを迷っている方はとりあえず研究室訪問に来てみて、先生や先輩と話してみることをお勧めします。