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Takumi Aoki

石野研究室 博士課程3年

素粒子物理国際研究センターを選んだ理由は?

もともと素粒子実験に興味がありATLAS実験に参加したいと思っていました。ICEPPを知ったきっかけは学部4年のICEPPガイダンスに参加した時です。そのあとの懇談会で今の指導教員である石野教授と話し、加速器実験におけるミューオントリガーの重要性や面白さを知り、自分も取り組んでみたいと強く思い、進学を決めました。

実際に入ってみてどうでしたか?

素粒子理論、ATLAS実験、機械学習等のさまざまな話題に関する輪講やセミナーがあり、ICEPPの取り組んでいる研究課題の裾の広さを感じます。また先生方のみならず、学生もさまざまな研究に取り組んでおり、研究発表や普段の雑談で多方面からの議論ができるのがとても興味深く、楽しいです。

学部生のころと比べて変わったと思う点は?

研究室ミーティングのみならず、研究グループの代表として学会や研究会、国際会議等で研究成果を発表する機会があり、どのようにしたら研究内容や自分の意見を伝えることができるのかを考えることが多くなりました。このことを通して自分の研究の立ち位置を明確にし、研究内容を整理することの重要性を知ることができました。

研究の楽しさと大変さは?

ATLAS実験という巨大な実験の中でも、大学院生一人ができる貢献は驚くほど大きいです。実験やオペレーションの重要な部分が自分に任せられ、自分が開発した電子回路や技術が今後10年使い続けられることを意識しながら研究を進めることは、非常に身が引き締まる思いでもあり、楽しさを感じられるところでもあります。2022年9月にノルウェーで開催された国際ワークショップTWEPP22でこれまでの開発成果の口頭発表を行い、Oral Awardを受賞しました。研究を評価してもらえたことを、TGCの共同ラボ全員で分かち合うことができました。

大学院の生活はどんな感じですか?

新型コロナウイルス感染症の影響で、CERNの現場に行くことは修士課程の間はできませんでしたが、リモートでミーティングを常にCERNと繋いで行ない、現場の雰囲気を感じることができました。また他大学の研究者との共同研究をKEKで行なっており、実際の電子回路を触りながら協力して研究を進めています。博士課程ではCERNに長期滞在することが可能となり、新しく始まった第3期実験が足元で行なわれていることを意識しながら、物理解析やオペレーションに取り組んでいます。

将来は?

素粒子実験に取り組み続けるのか、或いは就職するのかはまだ決めていませんが、研究を通して身につけたプログラミングやプレゼンの能力は今後も非常に役に立つものだと思っています。博士課程では物理解析を中心に研究を進める予定であり、素粒子や宇宙の謎に迫った研究成果を挙げていきたいです。

素粒子物理国際研究センターを目指す学部生にひと言!

石野研究室と奥村研究室では共同研究を行なっており、ATLAS実験のミューオントリガーの高度化に取り組んでいます。研究をしていく上では学生一人一人が実験の専門家のサポートを受けながら、主体的にプロジェクトを進めており、最先端の研究を行なう環境が揃っています。ICEPPではATLAS実験のみならず、さまざまな研究に取り組んでおり、素粒子実験全般に興味のある人は是非研究室見学や、ガイダンスに参加することをお勧めします。