活動報告

量子ネイティブ育成センター初の量子ハードウェア実習

量子ネイティブ育成センターでは、量子優位性の時代に備えて早期より量子技術を使いこなす人材の育成を目標に、理学・工学・情報科学など全学を対象にした教育を進めています。
開設1年目の2021年度S1タームでは後期学部生を対象とした実践的な講義「量子コンピュータ実習」を開講し、そのフォローアップとして9月27日(月)から10月1日(金)まで、初めての量子ハードウェア実習を主催しました(COVID-19対策として、数人のグループ毎に計2コマで実施)。期間中、全学から大学院生も含む多様なバックグラウンドを持つ23人の学生が参加し、量子コンピューティングの根底にある量子力学の基本法則や光量子系を使って量子計算の基本要素ゲートを実現するための原理や手法を学びました。

量子ハードウェア実習

実習内容

非線形結晶を用いたSPDCによる光子対の発生、Bell状態(2体量子もつれ状態)の生成・制御、CHSH(Bell不等式の破れ)、光子計測法やアナログ・ディジタル信号処理等。本実習を通して、量子コンピュータの基本ゲート操作の実装方法を身につけるだけでなく、量子もつれや重ね合わせ状態、非局所相関といった量子論特有の物理現象を応用した「量子センサ」や「量子計測」への橋渡しとして、実験的な面白さを体感することを目的としました。

量子ハードウェア実習風景

関連リンク

東京大学量子ネイティブ育成センター