「弱い力」はゲージ相互作用


現在の素粒子の理論では、粒子と粒子の間に働く力はすべて 「ゲージ相互作用」だと考え、それが理論を支える基礎となっている。 それによれば、 Z0粒子によって媒介される力(弱い相互作用と呼ばれる)も ゲージ相互作用のはずだが、それが正しいかどうかは実験で確かめるしか ない。

「ゲージ相互作用」の特徴は、力が対称性に基づいているので、 力の大きさが粒子の種類や質量によらず、普遍的な事である。

LEPでの実験で、様々な測定からレプトンやクォークに働く 弱い相互作用の大きさを調べたのが、下図である。横軸は、 ワインバーグ角と呼ばれ、Z0が媒介する力の大きさを表す量である。 これにより、 力の大きさは粒子の種類等によらず、非常に良い精度で同じであり、 ゲージ相互作用の考え方が正しい事が分かった。

Weinberg angles

また、ここで正確に測られたワインバーグ角の大きさ(約0.23)は、 3つの力(弱い力・電磁気力・強い力)を統一する 大統一理論から導かれる値と非常に良く一致し、 力の大統一の可能性を強く示唆している。


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