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Reconstruction methodの研究(系統誤差を減らすための)

 我々はBES-IIの1999年から2002年にかけて得られた全データを用いてJ/ψ→ΛΛbar過程の研究を行った。

その結果、J/ψ→ΛΛbar過程の崩壊率について、

Br(J/ψ→ΛΛbar)=2.11±0.02(stat.)±0.20(syst.)×10-3

という暫定的な結果を得た。また、CP-oddなobservable(asymmetry)について、0からの有意なずれは見られなかった。
J/ψ→ΛΛbarの崩壊率は現在得られている値

Br(J/ψ→ΛΛbar)=1.30±0.12×10-3

から6.8σのずれが見られた。これまでの我々の解析ではBr(J/ψ→ΛΛbar)=1.34×10-3
であった。また、系統誤差が大きく、この中でtracking errorが8.0%(1粒子のtrackingについて2.0%)含まれている。
これは崩壊して出来た荷電粒子(陽子、反陽子、およびπ±)のreconstructionに不備があり(図)、
2次崩壊、Λ→pπのvertexが正しくreconstructされないために、新たな解析においてそのようなイベントは除外されてしまい、
J/ψ→ΛΛbar過程の検出効率が小さくなったことが原因であることが分かった。
よって我々が得たJ/ψ→ΛΛbar過程の崩壊率が妥当なものであるか確認するため、また系統誤差を出来るだけ小さなもの
にするために我々はBESにおけるreconstructionの手法を解析することとした。
そして、現在、我々はreconstructionの新たな方法を模索している。

hit121-1.gif

[図]J/ψ→ΛΛbar過程のreconstruction
   に不備のあるイベントの例。2番目のtrackがreconstruct出来ていない