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Mark Thomson所長が東京大学の学生・研究者に向けて講演
“let us not forget”と強調したCERNの科学的優先課題とは

2026年2月17日、欧州合同原子核研究機構(CERN)Mark Thomson所長が東京大学を訪問し、“Particle Physics and CERN : Today and Tomorrow”と題して、福武ホールラーニングシアター(本郷キャンパス)で講演を行いました。Thomson所長は今年1月1日の就任後、欧州以外の最初の公式訪問国として日本を選び、長年、国際協力関係にあるアカデミアの現場で学生や研究者と対話したり、自由で活発に議論する時間を楽しまれました。本講演会には、学部生・大学院生を中心に約50人の参加があり、学生たちの若い視点でストレートな質問をぶつける場も設けられました。

CERN所長による講演会の様子
世界が常に注目する卓越した研究機関-CERNのトップリーダーが語る素粒子実験の“Today and Tomorrow”

講演の冒頭で、「本日ここに集うことができて、大変光栄です。CERNは、宇宙の最も根源的なレベルを理解するという共通目標に向かって働く素晴らしい人々が集う、本当に驚くべき場所です。そして、70年以上にわたる各加盟国の支援のもと、長期的かつ平和的な国際協力に基づいて設立された組織でもあります。LHCのような信じがたい加速器インフラを構築し、そしてそれは驚くほど良く機能しています。」と、CERNの唯一無二の強さをアピールしました。
続いて、世界的な共同体としてフォーカスする中期計画(高輝度LHC実験(HL-LHC)、ハイパーカミオカンデ(日本)とDUNE(米国)によるニュートリノ物理、暗黒物質探索等)を紹介し、なかでも“let us not forget”とCERNの科学的優先課題にあげたHL-LHCは、より高性能な検出器を導入するATLAS・CMSのアップグレードで次の段階へ進む準備が整い、AIを活用した解析手法の改善に貢献した研究者コミュニティの英知により、真の発見の可能性を秘めていると力説しました。その後、HL-LHCをはるかに上回る規模の将来加速器計画FCCの展望についても述べました。
所長を前にして少し緊張気味な学生からは、物理のスペシャリストの想像を超えるユニークな質問も飛び出し、会場全体が和やかな雰囲気になりました。「CERNと日本は共同研究の大事なパートナーです。互いに使命感を持ち、新しい物理を切り開いていきましょう。」と述べ、講演会は締めくくられました。

CERN所長との集合写真
Mark Tomson所長(CERN)と石野雅也センター長(ICEPP)を中心に参加者全員の集合写真

関連リンク

Particle Physics:Today and Tomorrow(Director-General, CERN) 講演資料(18MB)

CERN : 公式ウェブサイト