1977年にはJADE実験が7年の事業として認められ、 高エネルギー物理学研究施設は新たに 素粒子物理学国際協力施設として 生まれ変わった。
JADE測定器はソレノイドコイルを用いた大立体角汎用測定器で、 あらゆる興味深い現象を逃さず捕らえられるように設計された。 東大グループは主として電磁シャワー測定器を担当したが(上図参照)、 この鉛ガラスカウンターは予想通りの高性能で長期間安定に動作し、 中央飛跡検出器と共に物理解析の中心的役割を果たした。
JADEは1979年に実験を開始し、5年間に以下のような多くの成果を 輩出した。
この実験で育った多くの人材が後に、つくばの 高エネルギー物理学研究所(KEK) のTRISTAN実験に参加し、JADEでの経験を生かしたことが、 TRISTANの成功の大きな要因の一つであるといえよう。