量子研究サマーキャンプ

東京大学素粒子物理国際研究センター令和6年度「ICEPP量子研究サマーキャンプ」公募要領

※本公募の受付は終了いたしました。ご応募ありがとうございました。

1. 概要

東京大学量子イニシアティブ構想では、世界に先駆けて量子コンピュータの社会実装を実現するため、産官学の連携による量子コンピュータの研究開発と利活用に向けたアプリケーション開発、量子人材育成を進めている。素粒子物理国際研究センター(ICEPP)の量子研究サマーキャンプは、量子人材の発掘と将来のキャリア開拓を目指し、経済的な支援のもと、早期の段階から先端量子技術の研究に取り組む機会を提供する。
本サマーキャンプでの研究は、量子アルゴリズム・ソフトウェアの研究と、量子技術を用いたハードウェア開発という2つのテーマに沿って行い、その成果 は東京大学量子イニシアティブ構想の発展に資することを条件とする。研究テーマとキャンプ終了時に期待される成果に沿って、参加者とICEPP教員で研究内容を議論し決定する。キャンプ終了時の達成目標を具体的に設定した上で、期間内に集中して取り組み、キャンプ終了時に達成目標に対する成果を提出してもらう。

2. 内容(研究テーマ)

①実問題に対する量子機械学習の学習・汎化性の研究、優位性の実証に向けたベンチマーク開発

〇キャンプ終了時に、成果として以下を提出:
取り組むべき実問題(物理モデル、アルゴリズム、観測量など)
ベンチマークに必要な指標の定義(計算精度や計算コスト、スケーラビリィティなど)
指標評価に必要な技術課題(エラー評価・緩和の手法、量子回路の設計など)
指標の定量的な見積もり(実機での計算コストや誤差のスケーリングを示す図など)

〇会議・研究会での発表につながる成果

②ジョセフソン接合や超伝導回路を利用した新規量子デバイスの開発

〇キャンプ終了時に、成果として以下を提出:
作製したデバイスのgdsファイル
作製したデバイスの性能の定量的見積もり(手計算または有限要素法による数値解析結果など)
作製したデバイスのプロセスフロー(微細加工における使用デバイス及びそのパラメータをまとめた書類)
新規量子デバイスの測定結果(PPMSで測定した超伝導薄膜のDC測定結果、希釈冷凍機での超低温RF測定における性能評価など)

〇会議・研究会での発表につながる成果

③超伝導量子コンピュータで使用する新規マイクロ波部品・読み出し機構の開発

〇キャンプ終了時に、成果として以下を提出:
作製した部品のcadファイル、または読み出し機構の回路図
作製した部品の性能の定量的見積もり(手計算または有限要素法による数値解析結果など)
実際の超伝導量子コンピュータと接続した際の性能評価(RF損失やノイズなど、そのデバイスを特徴づける観測量の評価結果)

〇会議・研究会での発表につながる成果

3. 期間

令和6年8月1日から9月30日まで(休・祝日、ICEPPの夏休み期間は除く)
合計160時間以上とする。ただし、1週間あたりの労働時間が40時間、1日あたりの労働時間が8時間を超えないものとする。

4. 場所

東京大学(本郷キャンパス)理学部1号館西棟10階 素粒子物理国際研究センター(ICEPP)
基本的に対面で実施する。ただし、事情によってオンラインでの参加を認める場合もある。

5. 対象

学部生(東大以外の大学からの参加も可)。ただし、謝金を受け取ることが可能な方に限る。
また、東京近郊以外から参加を希望する者には、謝金・旅費について個別に相談を行う。

6. 謝金

1時間あたり3,000円

7. 応募資格

【研究テーマ①を希望する者】
①量子力学と線形代数の基礎的な知識を持っていること。
②Pythonプログラミングの経験を持っていること。
必須ではないが、Qiskit等でコードを書き、シミュレータ等で量子計算を実行した経験があることが望ましい。

【研究テーマ②③を希望する者】
①Pythonプログラミングの経験を持っていること。
②基本的な電子工作やオシロスコープ等の計測器の使用経験があること。
上記以外の特殊な作業(クリーンルームでの微細加工など)はICEPP教員が支援する。

8. 提出書類・方法

参加申請書(様式)に必要事項を記入し、電子メール(terashi@icepp.s.u-tokyo.ac.jp)で提出する。
(2~3日以内に受領の返信がない場合は、必ず問い合わせて確認のこと)
参加申請書には、以下の情報を必ず含めること(4は希望者のみ記入のこと)。
1) 参加を希望する研究テーマ(上記の①②③から希望するテーマを選択)
2) 研究テーマに対する抱負、取り組みたい技術課題に対する考え(A4用紙1枚以内)
3) 量子に関するこれまでの研究や経験、スキル(A4用紙1枚以内)
4) 素粒子や宇宙などの基礎物理に量子の知見を応用してみたいという抱負があれば、記入のこと

9. 提出締切

令和6年6月30日(日)厳守

10. 審査方法

基本は書類審査だが、必要に応じて面接をお願いする場合がある。

11. 採用予定人数

若干名

量子研究サマーキャンプに関することは、下記にお問い合わせください。
東京大学素粒子物理国際研究センター 寺師弘二
TEL:03-3815-8384 / FAX:03-3814-8806
E-MAIL:terashi@icepp.s.u-tokyo.ac.jp