平成24年度公募研究募集について

公募研究

テラスケールでの素粒子現象の直接研究を核に、時空、真空、宇宙、超弦理論、超伝導技術・検出器技術の応用など多くの研究が新たな方向と広がりをもって展開していく。この新たな領域を深く掘り下げたり、外に広げたりするために、関連する実験、理論両面での研究を幅広く公募し、これを強力に推進する。

(1) LHC実験では、ヒッグス粒子や超対称性などの発見が期待されているが、これらは「真空」や「時空」といった基本概念の変更を迫るものであり、これまでにない自由な発想を取り入れた研究が望まれる。真空や時空がもつ豊かな構造を非加速器実験などの別の角度から解明する様々なアプローチの実験や理論研究も公募研究で行っていく方針である。

(2) テラスケール領域の研究を更に発展させるためには、将来を見通した物理研究の方向性の検討と、それに必要な加速器及び検出器技術の開発をあわせて行っていく必要があり、幅広い分野からの専門家による公募研究を組み入れて、計画研究を充実させていく。

(3) 暗黒物質や、宇宙の始まりと進化、余剰次元ブラックホールの解明といった問題にも、テラスケール素粒子物理は重要な知見を与えることが期待されるため、宇宙物理への応用研究を行う。

(4) 計画研究での研究や開発された新しい超伝導素材や検出器を他分野に応用したり、研究項目Bの研究を更に他分野に広げていく公募研究は、領域に新しい展開をもたらす。

全体で10~15件程度の公募研究を予定している。1件あたり200~300万円/年を想定しており、公募研究全体として約3000万円/年を当てる。領域研究期間の前半はテラスケール物理の研究を更に発展させるための公募研究を重点的に行い、後半はテラスケール物理の成果を核に広がる新たな分野を更に発展させる公募研究に重点を移していく方針である。