平成24年度公募研究のお知らせ

新学術領域「先端加速器LHCが切り拓くテラスケールの素粒子物理学  ~真空と時空への新たな挑戦」が本年より発足しました。

この領域は、LHCでのヒッグス粒子や超対称性などの新しい素粒子現象を 確実に発見し、これらの素粒子をプローブとして真空や時空の構造を 探っていく、従来にない新しい研究です。

従来の素粒子中心の研究を大きく拡げて、 研究対象を素粒子・真空・時空へと拡大し、 宇宙の多様性の起源、初期宇宙と宇宙誕生の謎、 時空のコンパクト化や真空の構造、 重力の解明、暗黒物質、力の統一、素粒子の世代の解明、超弦理論など 多彩な研究テーマにつなげていきます。

またこのテラスケールの物理成果の更なる実験的な検証に向けて 次世代実験の準備研究も進めていきます。

この研究領域を更に深く掘り下げたり、大きく外に広げたりするために、 関連する実験、理論両面での研究を幅広く公募研究を募集します。

公募の対象となる研究は以下に3つのタイプを考えています。 以下にあけます計画研究と対応つけてご応募ください。 (対応が分からないときは浅井まで問い合わせてください)

  1. 真空や時空が持つ豊かな構造を解明するため、これまでにない自由な発想の研究。 加速器実験のみならず、非加速器実験などの別角度から解明する様々なアプローチの実験や理論研究
  2. テラスケール領域の研究を更に発展させるに必要となる加速器及び検出器技術の開発
  3. 宇宙物理、高次元物理、時空構造に密接に結びついた重力研究など計画研究の成果を更に押し広げていく研究

構成する計画研究は

研究代表者 研究課題 備考
A01 KEK・ 徳宿克夫 ヒッグス粒子の発見による素粒子の質量起源の解明 半導体検出器開発を含む
A02 東大・ 浅井祥仁 超対称性の発見と大統一理論の実験的検証 超伝導技術開発を含む
A03 神戸・ 藏重久弥 素粒子標準模型の精密検証で探るテラスケール物理現象 ミューオン検出器開発を含む
A04 名大・ 戸本誠 トップクォークを用いた新しい素粒子現象の探索 高速トリガー開発を含む
A05 KEK・ 野尻美保子 テラスケール物理の理論的研究 理論研究、現象論、特に実験と理論の架け橋
A06 東大・ 駒宮幸男 LHCでの発見が導く次世代エネルギーフロンティアの発展 カロリメーター開発を含む
B01 東北・ 山口昌弘 LHC時代の新しい初期宇宙像 理論研究:宇宙
B02 阪大・ 細谷裕 テラスケール物理がもたらす新しい時空像 理論研究:時空
B03 IPMU・ 渡利泰山 テラスケールの物理から超弦理論への展開 理論研究:超弦理論、コンパクト化
B04 名大・ 久野純治 テラスケール物理における世代構造の研究 理論研究:素粒子の世代

書類の作成などは、 こちらをご覧下さい。 期間は2年で、実験系は年間300万程度, 理論系は年間200万程度を予定しております。 皆様のご応募をこころからお待ち申し上げます。

領域代表:浅井祥仁