内山雄祐氏が第11回ピサ会議でYoung Scientist Awardを受賞


受賞発表題目
"Gamma ray reconstruction with liquid xenon calorimeter for the MEG experiment"
「MEG実験用液体キセノン検出器によるガンマ線の再構成」

東京大学素粒子物理国際研究センター森研究室の博士課程大学院生 内山雄祐氏は、 5月にイタリアエルバ島で開かれた先端測定器に関する第11回ピサ会議に参加して研究発表を行い、 Young Scientist Awardを受賞しました。
ピサ会議(Frontier Detectors for Frontier Physics, 11th Pisa Meeting on Advanced Detector)は 素粒子物理学実験および周辺領域に用いられる測定器・測定技術の最新の話題について、最前線で活躍する世界中の研究者が集まり発表、議論する国際会議で、3年に一度イタリアのエルバ島にて開催されます。 11回目となる今回は300名近くの研究者が参加し、今後の素粒子物理学における測定技術の方向性に関して活発に議論が行われました。 ここでは若手による優秀な研究を奨励するため、若手研究者の発表の中から3つが選ばれて「NIM-A Young Scientist Award」が授与されます。

内山氏は本センターが主導して行っているMEG実験(*)で使用される液体キセノン検出器を用いたガンマ線測定の詳細な解析方法について発表しました。 液体キセノンは新しいタイプの検出器の媒体として注目されていて、現在様々な実験における使用が研究されています。 MEG実験では世界に先駆けて大型の液体キセノン検出器を開発し、実用化に成功しました。 この新しい検出器について高い分解能を達成する解析手法を確立し、実際に取得されたデータを用いてその優れた性能を示した内山氏の研究成果が高く評価され今回の受賞となりました。 (左図は昨年度取得されたデータのイベント再構成の様子を示したもの。右側にあるC型の検出器(青色)が液体キセノン検出器。)


(*)MEG実験(実験代表者・森俊則教授)は、ミュー粒子の稀崩壊現象を探索する事により、 ニュートリノ質量の謎や素粒子の大統一理論を探る実験で、 スイス・ポールシェラー研究所にて2008年より本格的なデータ収集を開始しました。 文部科学研究費補助金(特定領域研究)によって研究が行われています。

last update 2009.6.17




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