
量子力学を創始したハイゼンベルクらの論文から100年。ユネスコは2025年を「国際量子科学技術年」と定め、“QUANTUM100”の空前のブームが巻き起こっています。一方、量子コンピュータに目を向けると、欧米中の覇権争いが激化し、日本でも実用化に向けた国産コンピュータ開発のニュースが注目の的になっています。
ICEPPはこれまで量子力学を礎とする素粒子物理の研究を行なっており、2021年には量子プロジェクトの組織を立ち上げ、国内外屈指の大学・研究機関やIT企業との連携を強化するとともに、量子技術の次世代を担う人材を育成しています。
サイエンス雑誌とは違った視点の「ICEPP×量子特集」を企画・取材し、8ページに凝縮して冊子上でお届けしています。どうぞご覧ください。
CHAPTER01 THE BIRTH OF QUANTUM MECHANICS―現代物理学を支える量子力学の誕生
20世紀前半、物理学のあり方を大きく変える2つの理論が誕生しました。1つは、アルバート・アインシュタインが提唱した相対性理論。もう1つは微小な世界での運動の様子を記述する量子力学です。量子力学の誕生によって、原子の構造についての理解が進み、原子を構成する粒子の振る舞いを調べられるようになり、素粒子物理学の発展へとつながっていきます。量子力学の黎明期からの変遷を振り返ります。

CHAPTER02 THE SCIENTIFIC LEGACY OF OPAL―素粒子の標準理論の確立に貢献したOPAL実験
量子力学の誕生と発展により、素粒子の世界の理解も大きく進み、素粒子物理学を大きく発展させました。加速器を使った高エネルギー実験は、いくつもの新粒子の発見とともに、既知の素粒子の精密な測定により、素粒子の標準理論の構築と確立に大きく貢献してきました。20世紀の終わり頃に実施したLEP, LEP II-OPAL実験に最前線で挑んだ東大ICEPP研究者の川本辰男先生に、当時の研究成果と量子力学との関係性を取材しました。

CHAPTER03 KNOWN AND UNKNOWN QUESTIONS―現代物理学に残る難問
この50年間、研究者たちの努力により、物理学は大きく発展し、さまざまなことがわかってきました。一方で、新たな謎も生まれています。現代物理学に残るいくつかの難問に迫ります。

CHAPTER04 QUANTUM LEAP BY QUANTUM TECHNOLOGY―量子技術で物理学にブレイクスルーを
ICEPPは1974年の創立から50年以上、加速器を使った高エネルギー実験を中心に素粒子研究をしてきました。計算やデバイスに量子力学の知見を使うことで、素粒子の難問にどのように立ち向かうのか?を、現在、取組んでいる量子ソフトウェア・ハードウェアの観点からも解説します。

今年度もオンライン申し込みにより先着50名限りで、郵送させていただきます(ひとり1冊のみ)。
*次のウェブページ掲載の専用フォームから、気軽にお申し込みください(確認でき次第、順次、郵送を行ないますが、若干の日数がかかる場合もあります)。なお、取得した個人情報は、本目的以外には利用しません。
ICEPP2025年度版パンフレットの配布について