素粒子物理実験の面白さを伝え、大学院生を中心とした若手研究者同士の議論を通じて、大学、実験の垣根を超えたつながりを広げる機会を設けることを目的とする「高エネルギー物理春の学校」が、今年も5月22~24日に開催されました。本センターから修士1年の学生5名が参加し、口頭発表・ポスター発表・パネルディスカッション等を行なうとともに、日頃の研究成果を多くの国内の若手研究者と議論しました。
春の学校では例年、成果発表や質疑応答等による学校全体の盛り上げに特に貢献した学生を表彰していますが、今年は本センター澤田研究室修士1年の加藤大聖氏が受賞しました。

対象発表
極低放射能アルファ線検出器開発におけるCF4ガス発光の基礎研究 発表資料
概要
宇宙素粒子実験においては、特に数MeV以下の領域での観測では検出器材料に含まれる放射性同位体が主要なバックグラウンド源となります。本研究では、材料表面からのアルファ線を高感度に検出し、不純物の少ない材料を選定するため、CF4ガスを用いたα線検出器を開発しました。
感想と今後の抱負
ICEPPに進学後、初めて参加した高エネルギー物理春の学校で優秀賞をいただけて、とても嬉しく思っています。発表後の質疑応答が終わったあとも、個別に質問してくださる方が多くいて、自分の発表に関心を持ってもらえたことが何より嬉しかったです。今回の受賞は、自分の研究へのモチベーションをさらに高めてくれるきっかけになったと感じています。これからもICEPPでの研究活動にしっかり取り組んでいきたいと思います。
指導教員からのメッセージ
優秀賞の受賞、おめでとうございます。学部生の頃に熱心に取組んだ検出器開発の成果を大変分かりやすく発表できたと聞き、うれしく思っています。今後ICEPPでの新たな研究でも大活躍することを心より期待しています。
関連リンク
第13回高エネルギー物理春の学校2025 (関連サイト)