センター長談話

小柴昌俊先生の訃報に接して

小柴先生の訃報をうけまして、深い悲しみに包まれています。

小柴先生は、素粒子物理国際研究センターの前身であります理学部附属高エネルギー物理学実験施設を1974年に創設され、欧州での最先端の素粒子研究に参加し、日本の国際共同研究の先駆けとなられました。
以来、グルーオンの発見、素粒子標準理論の確立、そして2012年のヒッグス粒子の発見に至る、素粒子研究のメインストリームに東京大学が大きく貢献してきた礎を築かれました。
これとならんで、小柴先生は岐阜県神岡に、陽子崩壊やニュートリノ研究の目的でカミオカンデ検出器を建設され、ニュートリノ天文学や、ニュートリノ質量の発見など数々の成果をあげられました。小柴先生が導いてくださった道で、現在我々が研究していると言っても過言ではありません。

小柴先生のご冥福を祈りつつ、先生が確立なされた標準理論を超える新しい現象の発見に日々努力してまいります。

東京大学素粒子物理国際研究センター
センター長  浅井 祥仁