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田中研究室 宇野健太氏が「International School of Subnuclear Physics 2019 Nambu award」を受賞

1999年度ノーベル物理学賞を受賞したGerardus ("Gerard") 't Hooftが中心となり、若手研究者が国際レベルで活躍できる機会を促進するための国際スクールが毎年開催されています。今年は、6月21~30日にイタリア・エリーチェで行なわれました。
このスクールは世界各国の大学・研究機関の長より推薦を受けた素粒子理論・実験の研究者(全体で約100名)が参加でき、田中研究室博士課程3年の宇野健太氏は浅井センター長の推薦のもと出席・発表しました。「LHC-ATLAS実験におけるグルイーノ探索の解析結果」に関する発表は、多くの研究者に評価され、本スクールの特別賞"Nambu award"を受賞しました。

表彰時の写真
元ATLASスポークスパーソン Peter Jenni氏とともに、表彰状を手にする本人(写真右)。

研究課題

Search for gluinos in final states with the jets and missing transverse momentum at 13 TeV with the ATLAS detector using machine learning

受賞理由

欧州原子核研究機構(CERN)のLHC加速器を用いた2015~2018年のRun2実験では、衝突エネルギーを13TeVに増強し、新粒子探索やヒッグス粒子の精密測定などを行ないました。今回の発表では、機械学習を解析に取り入れた時の解析感度の改善と発見後の超対称性粒子の質量再構成の新しいアイデアに重点を置きました。大規模実験のトークでは独自性を出すことが難しいなか、宇野君のアイデアが評価され、研究者間でも注目度の高い"機械学習"を利用した解析に関する質問を多く受けました。最終結果は、8月にカナダ・トロントで開かれた国際会議"Lepton Photon2019"で公表しました。詳しくは、こちらをご覧ください。

●ATLAS-CONF-2019-040(5 August 2019):関連サイト

研究成果
8月に公表された超対称性粒子グルイーノ探索の最終結果

感想と今後の抱負

まず、このような素晴らしい国際スクールに参加する機会を与えてくださった浅井センター長に感謝いたします。会期中は、自分と近い研究をしている学生や若手研究者と交流でき、非常に良い刺激になりました。特に、普段の研究現場では接する機会の少ない理論研究者との議論は有意義でした。数多くの研究者に興味を持っていただき、様々な角度からの意見等をもらえました。2008年度ノーベル物理学賞受賞の南部陽一郎先生に因んだ特別賞受賞をバネに、これからの研究生活を頑張っていきたいと思います。

リンク

●International School of Subnuclear Physics 2019(関連サイト)