トップ・クォークの質量


トップ・クォークは、最後の世代(第3世代)に属するクォークの 一つで、最も重いクォークである。 その質量は、第3世代のもう一つのクォーク(ボトム・クォーク) と比べても一桁以上重い。 そのため長年の探索にもかかわらずつい最近まで発見されなかった。

この質量のアンバランスがある為、量子力学的効果を通して トップ・クォークの質量が、Z0の生成崩壊反応に 微妙に効いてくる。オパール実験ではこの事を利用して、 Z0の精密測定からトップ・クォークの質量を 求めた。

Top Quark Mass by LEP

上図は、LEPでの様々な測定からそれぞれ求めたトップ・クォークの 質量を示したものである。 これにより、質量は約170GeV(金の原子と同じくらいの重さ)である ことが分かった。

この結果は、その後 まさしくこの予言された質量に トップ・クォークが発見され、 その正しいことが証明された。


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