W粒子の対生成の頻度は、標準模型と一致


LEP2では、下の図のように、電子と陽電子の衝突から2つのW粒子を生成 することができます。W粒子はすぐにクォークやレプトンに崩壊します。
WW topology
この反応過程の一部を時簡を追ってみていくと、下の図のように表すことができます。 ここで、図中にZWWという3つのゲージボソン粒子の相互作用が描かれています。このような反応過程はLEP2で初めて研究されました。
WW topology

下の図は、横軸の衝突エネルギーと共にW粒子の対生成の頻度がどのように変化するかを表したものです。 水色の線は、ZWW過程を含んだ標準模型から予測される発生頻度です。その上にのっている点は、LEP2の実験による測定結果です。 図からわかるように、標準模型の予測とLEP2の実験結果とは非常によく一致しています。
WW Cross Section Plot

その上にみえる赤色の点線は、もしZWWの反応過程が全く無かった場合のW粒子対の発生頻度を表しています。このような可能性は、LEP2の実験で完全に棄却されたことがわかります。
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