「全体議論」議事記録 (録音を元に編集) (時間の都合で技術・人材の話は今回は見送り) (山下)ミューオンの計画で、世界的な動きとの比較が出てこなかったがどうなっているか?提言ではg-2に ついては競争と協力を考えながら主導的に推進、などと書いたが、海外との関係を説明して欲しい。 (西口)競争相手はいる。μ-eコンバージョンについてはフェルミのMu2e、g-2についてもフェルミで計画 されていて、どちらも同じくらいの時間スケール、同じくらいの感度で話をしていて、完全に競合する。 (小林)提言では「MEG実験でμ→eγが発見された場合には、J-PARCにおけるμ-eコンバージョンを強く 推進すべき」と書いたが、それについて実際にやられている方はどう考えているか。 (三原)見つかれば益々やらなければいけないし、なくてもやるだろう。 (中家)このまま皆が好きなことを言いながらだんだん難しいことを要求し、かつ、どこも優先順なくどれも 通したいとなると10年後も同じような内容の会議をしている破目になってしまいそうだが、、、 タイムラインと決断ポイントなど、10年後に向かってのプランが欲しい。加速器のプランも10年後にどれまで できているのか。 (小関)たとえば加速器のプランがニュートリノ実験にマッチしているのか真剣に考えなければならない。 (中家)ニュートリノはまだタイムラインがはっきりしていて、theta13が確立し、反ニュートリノもあり、 外国の情勢も出てきて、といろいろな要因で自分たちだけでなく国際的にもタイムラインが埋まっていくと思う が、J-PARCで言えばニュートリノとミューオン、K、中性子、もしくは新しいものが時間的にどう発展していく のかが難しい(はっきりしていない)。例えば、ミューオンで紹介された3つについて、それぞれが育っていく のか、どうか。物理や加速器の性能を含めたfeasibilityを含めてある所ある所で決断してしていく必要がある。 PACの役割なのかもしれない。 (徳宿)PACは基本的には一つ一つのプロポーザルを見る立場。やはりglobal decisionはPACではなく コミュニティが決めるもの。 (阪大・佐藤)新しい物理が出ないと決められないとか、加速器の計画は信じるしかありませんとかだけでは なく、物理の結果が出なかった場合とか、加速器の強度が上がらなかった場合とかを考えて備えるべき。例えば KOTOでは標準理論感度まで到達するために300kWの場合、あるいは100kWしか出ない場合など、最悪の シナリオも考えて議論しないとならないのではないか。 (徳宿)むしろ、加速器を含め全部やった時のシナリオでそれぞれ何年でいくらくらいかかるのかを並べて しまった方がよいのではないか。 (小林)小委員会内部では一度やっているが。。。 (徳宿)皆、雰囲気では全部はできないだろう、と思っているが、実際本当にできないのかどうかを議論するには 必要なのではないか。 (中家)時間を伸ばせばある時期ある時期では全部できていくのかもしれないが、すべて横並びでは全部遅らせる ようなことになってしまうかもしれない。 (生出)それがファクター2の話をしているのかファクター5の話をしているのかわからない。リソースにしろ、 時間にしろ。それはやはり表を出してもらいたい。 (山下)とりあえず出せばよいのではないか。 (生出)それを全体のタウンミーティングの時にも言った。 (徳宿)加速器で言えば2018年くらいまで今までのシナリオで行って、2018年くらいからセカンドブースターと ストレッチャーを入れ込んで、それと同時に実験の方も入れて行って、というゼロ次案はすぐ出せるのではないか。 それでどのくらいのリソースがかかるのか。J-PARCだけではないが。 (中家)ここJ-PARCタウンミーティングで出てきたものが、他、例えばリニアコライダーなどと突き合わされる。 ここの数字がないと議論にならない。 (丸山)ストレッチャーとセカンドブースターはどのくらいかかるのか? (小関)参考としてRCSが全部でXXX億、MRがXXX億。おそらくその間のXXX億+αになるだろう。 全く精度のない話だが。 (生出)MRトンネルの中に作ればどうか。今のMRをストレッチャーにすれば一石二鳥でできないのか。 (小関)それもありうる。 (小松原)これまで作ってきたものと似たような金額のものをもう一つ新しく作ると考えればよいのか? (小関)そうだ。 (齊藤)RCSを50Hzにするためには相当なものを取り替えなければならない? (小関)電源を大幅に変えなければならない。 (齊藤)それはadditionalにXXX億かかかると。。。 (小関)そこまで行くかどうかはわからないが。。。RCSは中身が全部でXXX億。 (齊藤)タイムスケールの話をするのであればエネルギーを含めてちゃんとコミュニティで話さないといけない。 (山下)ただ、物理学会までの目標としては一覧表と、全部やってみたらどのくらいではまるか、ということを やってみるということだろう。 (中家)今日のいろいろな話で(今考えられている)全部をカバーしているか?他に何か言っておきたいことは あるか? (山下)周りの分野からの意見も聞きたい。高エネルギーと加速器だけでなく、宇宙線や原子核から出席されて いる方もいるので。 (齊藤)原子核はまずハドロンホールの拡張をしたい。しないとビームラインが少なく、効率よく実験ができない。 それより前、近々のニーズとしてはハドロンホールの高運動量ビームラインを作り、なるべくハドロンホールの 物理の幅を広げられるようにしたいと考えられている。ストレッチャーのような話は将来に向けて非常に重要である。 原子核実験のプロポーザルにもデザイン値300kWで考えられているものも結構あるので、それらの実現も重要と考える。 50GeVや偏極ビームについて言う人もあり、そういうニーズもどこかで議論していきたい。フライホイールが必要 ということもあるが、超伝導のフライホイールができればもっと安くなる可能性もある。 (小松原)50GeVについては、あればいいというレベルなのかコミュニティの総意で本当に必要なのか。 J-PARC加速器の状況がよくinformされているのかという心配もあるので。 (齊藤)今、50GeVというプロポーザルが1件あり、neglectすることはできないので触れている。 (中平)ストレッチャーの場合は実験ホールも作り直しになりその分のお金もいるだろう。今の遅い取り出しの 実験ホールを使える他のメリットはあるか? (小関)それはあるだろう。 (高崎稔)高エネルギー以外の情報ということで。震災前に量研室からJ-PARCの評価部会を立ち上げようかと いう話があった。震災のため今年度は無理だが来年度か再来年度に立ち上がるだろう。評価部会では供用促進法や 最初の物理の結果とかの話があるが、50億以上の昔で言う二期計画にあたる将来計画についてのプレゼンも何か あるだろうと思われている。来年やるとなった時に総花的な話ではダメで高エネルギーは高エネルギーで絞った話を 持っていかないと他分野を含めた評価部会には耐えられないと思う。そのあたりをどう小委員会でまとめていく のか、少しビジョンを変えたほうがいいのではないかと思う。 (山下)まったく同感。そのために今議論を始めたところで、本当はもっと辛らつな議論が行なわれるとよかった のだと思う。今日はまずは方法の紹介で、ここからちゃんと考えようというところ。高エネルギーのよいところは やる時は本当に辛らつにやるので、これからJ-PARCの中だけでも物理の意義も含めて真剣にやるだろうし、 少なくとも将来計画小委員会ではやる。物理の意義については、個人の意見であってもとことん言ってもらわないと 議論にならない。 (西川)今日議論したのは10年先を見越しての話である一方、評価部会の件はもう少し近い話を考えられているはずで、 時間スケールが違うのでは? (中家)評価部会への対応は高エネルギー委員会やJ-PARC利用者協議会で対応していくべきことであると考える。 将来計画検討小委員会は、本日議論した10年先を見越した計画について議論していけばいいと思う。