MEG実験のデータ収集を終了

2013年夏にデータ収集を終了し、その後2年半をかけて全取得データの解析を行ないました。その結果、残念ながらμ→eγ崩壊の発見には至りませんでしたが、その崩壊分岐比に4.2×10-13という上限値を付けることになりました。これは以前の実験より約30倍精度の高い結果であり、大統一理論をはじめとする有望と思われていた様々な理論モデルに厳しい制限を与えました。この結果を踏まえて新たな理論の提案などが行なわれています。また、これはあらゆる素粒子の崩壊分岐比として最も小さな値となります。MEG実験の最終結果は、2016年3月の国際会議La Thuileで森教授が発表し、その後2016年8月には詳細をまとめた論文をThe European Physics Journal Cに掲載し、世界中の研究者から大きな注目を集めました。

データ収集終了後2014年に米国カリフォルニアで開かれたMEG実験のワークショップ ©MEG Collaboration