LEPコライダーでの発見から新実験の検討へ

1990年代前半、本センターの研究グループは、欧州合同原子核研究機構(CERN)の世界最高エネルギー電子・陽電子コライダーLEP(Large Electron Positron collider)において国際共同実験OPALを実施し、電弱相互作用を媒介する「Z粒子」を大量に生成し、精密測定を行なっていました。その結果の詳しい解析から、小柴特別栄誉教授が1980年代からカミオカンデ実験で探ろうとしていた大統一理論が実は間違っており、その代わり「超対称性」という新しい対称性を取り入れた新たな大統一理論が成り立っていることがわかりました。超対称大統一理論は、当時、既に建設の進んでいたスーパーカミオカンデ実験でも証拠を見つけるのは困難と思われ、折戸教授(第4代センター長)を中心とする本センターの研究グループは、新しい大統一理論を探ることのできる実験の検討を始めました。

素粒子に働く3つの相互作用が宇宙開闢直後に見事に統一される
東京大学の研究グループが建設したOPAL実験の鉛ガラス電磁カロリメータ ©OPAL Collaboration