トップクォークの質量起源もヒッグス機構と判明

ttH(γγ)分析からのイベントを可視化した図 ©CERN

2017年までに収集したデータ中に、ヒッグス粒子がトップクォーク対と同時に生成されるという極めて稀にしか起きない反応を発見しました。陽子同士の衝突によって生成されたヒッグス粒子は、その直後にさまざまな粒子対に崩壊します。それらの事象を分類・解析し、6.3σ(シグマ)の統計精度で、ヒッグス粒子がトップクォーク対に崩壊することを確認しました。この反応が起こる確率は、現在の統計量ではヒッグス機構の予想と一致しています。最も重く、他の素粒子と比べて数桁も大きな質量をもつトップクォークの質量がヒッグス機構に由来するものであることを示唆し、力を伝える素粒子ばかりでなく、物質を形作る素粒子の質量の起源も同機構によるものであったことがわかり、ヒッグス機構の全貌解明に向けた大きなマイルストーンとなりました(6月4日プレス発表)。