イタリア・モリオン国際会議で新粒子をヒッグス粒子と事実上断定

モリオン国際会議 ©ATLAS experiment

2013年3月2日~16日にイタリアで開催された伝統的な国際会議 "Rencontres de Moriond"には、世界各国から420人以上の物理学者(理論・実験)が集まり、最新の素粒子物理学の研究成果の発表を待ち望んでいました。世界中が注目する中、LHCのATLASとCMS両実験チームは、前年に発見した新粒子の性質を更にはっきりさせました。7月の発見報告時と比べて約2.5倍の量にも及ぶデータをもとに解析した結果、新粒子は「ヒッグス粒子」であること強く示しているという発表を行ない、事実上の断定に至りました。ヒッグス粒子であるかどうかは、ほかの粒子とどう相互作用するかと、その粒子の量子力学的性質で決まります。ATLASとCMSは、スピンとパリティをいろんな解析方法で検証し、全ての測定結果でスピンゼロと正パリティの組み合わせが実験データと一致していることを明らかにしたのです。