「神の粒子」に迫る素粒子物理学の革命前夜、8TeV到達

ATLAS実験で観測したヒッグス粒子が生成されたと考えられる事象 ©CERN

2011年の実験で500兆回の衝突の中からおよそ100個のヒッグス粒子らしきものを見つけ出し、12月13日CERNのATLAS実験グループはヒッグス粒子が存在する確率は98.9%と発表し、発見へ前進したことを示しました。しかし、素粒子物理学での発見は99.9999%以上の正確さが求められるため、東大グループの研究者は同年6月の解析結果に興味深いヒントが見えていましたが、その後もデータ解析を慎重に繰り返しました。2012年、LHC実験は新しい世界記録8TeVで運転を開始し、この衝突エネルギーの増加によってヒッグス粒子存在の確実性の機運が高まりました。

CERNのミーティングルームで議論する東大グループ ©ICEPP
CERNに派遣された博士課程大学院学生も解析グループの戦力 ©ICEPP
ヒッグス粒子発見の糸口を探る教員と大学院学生 ©ICEPP