Tier(階層)構造で実現、世界をひとつにつなぐWLCG

Computing Grid ©CERN

LHC実験は生成処理されるデータ量が巨大であることや、データ解析の対象となる物理テーマが多岐に及び、参加する研究者の人数もかつてない規模であることなど、多くの複雑な課題を克服する必要がありました。そこで各国の参加研究機関が計算資源を出し合い、それらを高速ネットワークで接続して分散解析するモデルが提唱されました。安定で効率的なデータ転送の実現と、多数の解析センターの統一的・系統的な運用を可能にしたのが、デ-タグリッドです。2002年よりLCG(LHC Computing Grid)プロジェクトがスタートし、その後WLCG(World-wide LHC Computing Grid:世界LHC計算グリッド)コラボレーションが形成されました。このグリッド配備は2005年に本格化し、現在では42ヶ国170研究機関を超えるサイトがCERNと交わした協定に基づいてグリッド解析センターを運用しています。

世界LHC計算グリッド ©CERN