平成26年度公募研究のお知らせ

平成23年度に始まった新学術領域「先端加速器LHCが切り拓くテラスケールの素粒子物理学 ~真空と時空への新たな挑戦」は、本年度の科研費申請において公募研究の募集を行います。多くの方の応募をお待ちしております。


先端加速器LHCが切り拓くテラスケールの素粒子物理学 領域略称名: テラスケール物理
 ~ 真空と時空への新たな挑戦 領域番号: 2303
設定期間:平成23年度~平成27年度
領域代表者:浅井 祥仁
所属機関:東京大学大学院理学系研究科

本領域は、LHCでのヒッグス粒子の研究、超対称性などの発見を通して、「真空」が持つ豊かな構造、「時空」構造の解明を進め、 これまで粒子やその相互作用が主な研究対象であった素粒子研究を大きく広げ、入れ物であった「時空」や「真空」を探る研究領域である。

このため、テラスケールでの素粒子研究を核に、時空、真空、宇宙、超伝導技術・検出器技術の応用などへ研究を広げるために、以下の研究項目 (A01-06,B01-04)について、「計画研究」により重点的に研究を推進するとともに、関連する実験、理論両面での2年間の研究を公募する。1年 間の研究は応募の対象としない。また、研究分担者を置くことはできない。

公募の対象となる研究は次の3種類である。①新しい実験(非加速器実験も含む)や理論的な研究で様々なアプローチでの真空 や時空の解明し、計画研究とは別の角度から研究を深く掘り下げる。②本領域の研究成果から、暗黒物質や宇宙の始まりと進化など宇宙物理への応用研究、低エネルギー領域への応用研究 、超伝導や検出器技術の応用など領域を広げる研究。③テラスケール物 理を更に発展させるための次世代実験にむけての研究や、その検証に向けての次世代実験で重要となる新しい検出器技術や超伝導技術の開発。

公募研究の採択目安件数は、単年度あたりの応募額700万円を上限とする実験的研究を3件程度、200万円を上限とする理論的研究を3件程度予定している。

なお、研究内容の詳細については、領域ホームページ(http://www.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/terascale/)を参照すること。

(研究項目)

研究代表者 研究課題 備考
A01 KEK・ 徳宿克夫 ヒッグス粒子の発見による素粒子の質量起源の解明 半導体検出器開発を含む
A02 東大・ 浅井祥仁 超対称性の発見と大統一理論の実験的検証 超伝導技術開発を含む
A03 神戸・ 藏重久弥 素粒子標準模型の精密検証で探るテラスケール物理現象 ミューオン検出器開発を含む
A04 名大・ 戸本誠 トップクォークを用いた新しい素粒子現象の探索 高速トリガー開発を含む
A05 KEK・ 野尻美保子 テラスケール物理の理論的研究 理論研究、現象論、特に実験と理論の架け橋
A06 東大・ 駒宮幸男 LHCでの発見が導く次世代エネルギーフロンティアの発展 カロリメーター開発を含む
B01 東北・ 山口昌弘 LHC時代の新しい初期宇宙像 理論研究:宇宙
B02 阪大・ 細谷裕 テラスケール物理がもたらす新しい時空像 理論研究:時空
B03 IPMU・ 渡利泰山 テラスケールの物理から超弦理論への展開 理論研究:超弦理論、コンパクト化
B04 名大・ 久野純治 テラスケール物理における世代構造の研究 理論研究:素粒子の世代