計画研究A04「トップクォークを用いた新しい素粒子現象の探索」

本研究では、標準理論の中で最も重い素粒子“トップクォーク”の生成断面積や崩壊分岐比、質量やスピンに代表されるトップクォークの固有性などの物理量の精密測定を通して、新しい素粒子現象を探る。電弱対称性が破れるエネルギースケール程度の質量(170GeV)
を持つトップクォークは、


などの理由で新物理探索に魅力的である。特に、トップクォークはヒッグス機構、余剰次元、超対称性などに代表される新しい素粒子現象に感度が高い。本研究初期に年間15 万事象、最終年には年間800 万事象生成される世界最大量のトップクォーク対事象を用い
て、新しい素粒子現象を探索する。

さらに、本研究は将来の高統計LHC 実験に向け、トップクォークの生成・崩壊時に伴うボトムクォークとタウレプトンの特徴をオンラインで判断し、トップクォーク生成事象を高効率で選別するトリガー系、特に、高速飛跡トリガー回路のR&D 開発を行なう。

研究組織

研究代表者 戸本誠 名古屋大 理学研究科 准教授 総括、トップクォーク、タウ同定
研究分担者 寄田浩平 早稲田大 理工学術院 准教授 トップクォーク、b 同定、飛跡トリガー
研究分担者 長野邦浩 高エネ機構 素核研

准教授

量子色力学、高速トリガー
連携研究者 長坂康史 広島工大 情報学部 教授 データ収集システム
連携研究者 下島真 長崎総科大 情報学部 教授 高速トリガー

(研究者、大学院生あわせて15 名程度)