本研究では、標準理論の中で最も重い素粒子“トップクォーク”の生成断面積や崩壊分岐比、質量やスピンに代表されるトップクォークの固有性などの物理量の精密測定を通して、新しい素粒子現象を探る。電弱対称性が破れるエネルギースケール程度の質量(170GeV)
を持つトップクォークは、
などの理由で新物理探索に魅力的である。特に、トップクォークはヒッグス機構、余剰次元、超対称性などに代表される新しい素粒子現象に感度が高い。本研究初期に年間15 万事象、最終年には年間800 万事象生成される世界最大量のトップクォーク対事象を用い
て、新しい素粒子現象を探索する。
さらに、本研究は将来の高統計LHC 実験に向け、トップクォークの生成・崩壊時に伴うボトムクォークとタウレプトンの特徴をオンラインで判断し、トップクォーク生成事象を高効率で選別するトリガー系、特に、高速飛跡トリガー回路のR&D 開発を行なう。
研究代表者 | 戸本誠 | 名古屋大 | 理学研究科 | 准教授 | 総括、トップクォーク、タウ同定 |
研究分担者 | 寄田浩平 | 早稲田大 | 理工学術院 | 准教授 | トップクォーク、b 同定、飛跡トリガー |
研究分担者 | 長野邦浩 | 高エネ機構 | 素核研 | 准教授 |
量子色力学、高速トリガー |
連携研究者 | 長坂康史 | 広島工大 | 情報学部 | 教授 | データ収集システム |
連携研究者 | 下島真 | 長崎総科大 | 情報学部 | 教授 | 高速トリガー |
(研究者、大学院生あわせて15 名程度)