計画研究A02「超対称性の発見と大統一理論の実験的検証」

超対称性粒子は、テラスケールに存在が予言されており、標準理論を超えた新しい素粒子現象の中で最も期待されている。超対称性の発見は、「力の大統一(GUT)」、「暗黒物質の解明」など多くの成果をもたらし、テラスケールからGUT スケールの新しい素粒子物理学を切り拓く極めて重要な成果である。

アトラス実験では、質量2.5TeV までの超対称性粒子を直接発見することが出来る。本計画研究は様々な超対称性モデルに対応できるようにトポロジーをベースに研究を行い、確実な発見が可能である。また重力を素粒子物理学の中に取り込もうとすると余剰次元が不可欠である。この余剰次元がテラスケールにある可能性が指摘されており、本研究の重要な課題である。

これらの研究によって得られた「時空」などの新しい自然観に関して、社会一般へのアウトリーチも行う。更に次世代加速器やLHC のアップグレードで鍵となる超伝導新素材(Nb3Al)の実用開発を行い、それを用いた超伝導磁石の設計、試作を行う。

研究組織

研究代表者 浅井祥仁 東京大 理学系研究科 教授 総括、超対称性粒子探索
研究分担者 中本建志 高エネ機構 超伝導低温工学センター 准教授 LHC 加速器・超伝導線剤開発
研究分担者 田中純一 東京大 素粒子センター 准教授 余剰次元、ソフトウェア
研究分担者 陣内修 東京工業大 理工学研究科 准教授 長寿命粒子、MC
連携研究者 山本明 高エネ機構 超伝導低温工学センター 教授 高磁場超伝導磁石の開発
連携研究者 佐々木憲一 高エネ機構 超伝導低温工学センター 助教 超伝導磁石設計、保護回路設計
連携研究者 菊池章弘 物質材料研究機構 超伝導材料センター 主幹研究員 Nb3Al 線材の開発
連携研究者 金谷奈央子 東京大 素粒子センター 助教 超対称性粒子探索
連携研究者 山本真平 東京大 素粒子センター 特任助教 消失運動量の測定方法
連携研究者 横山広美 東京大 理学系研究科 准教授 科学コミュニケーション

(研究者、大学院学生をあわせて30 名程度)