LEP (Large Electron Positron Collider)は、 CERN研究所の誇る世界最大・最高エネルギーの電子・陽電子衝突装置(コライダー) である。地下50mから175mの所に掘られた直径3.8m、円周約27kmの トンネルの中に設置された加速器である。 完成には13億スイスフラン(約1,000億円相当)の費用を必要とした。
LEPのように高エネルギーの電子を円形に加速する装置では、 シンクロトロン放射によるエネルギー損失があるために、 加速器のリングの半径を大きくした方が有利である。 LEPは円周約27kmで、ほぼ東京の山手線に匹敵する。 このため加速器はCERNの敷地内に収まらずスイスとフランスの国境に またがっている(下図)。
大量の電子と陽電子はそれぞれ束(バンチ)状になって、 LEPの超高真空パイプの中を反対方向に回り、 4ヶ所で衝突するようになっている。各衝突点にはそれぞれ ALEPH、 DELPHI、 L3、 OPAL と呼ばれる国際共同実験グループが測定器を設置して実験を行なっている。