「ニュートリノの将来計画」質疑応答議事記録 (録音を元に編集) Q(三原)theta13とdeltaで、とりあえずtheta13を測って将来deltaが見えるかどうか、というのが今日の話 だったが、それぞれどこまで測ろう思っているのか?また、NOVAの話がでてきたが、2013年くらいからそれが 走り出すとすぐに追いつかれてしまう心配があって、それならば早くT2Kならではの、あるいは日本でしか できない方向にウェイトをシフトして行った方がよい気がするがどうか。 C(山下)日本ならでは、というのは? C(三原)それはわからないが。。。ニュートリノはパワーだけだと言われるとうーんとうなってしまうしかないが。 それなら総力を上げて加速器のパワーを上げるしかないのだろうが。 A(中平)それ(パワーの話)はそのとおり。 Q(三原)今のT2Kでどこまでがんばるのか?いつかNOVAは動き始めるし原子炉実験も立ち上がってくるだろうし、 様子を見ながらとなるのか、早くに次のステップを考えるのか。 A(中平)今のまま直接CPというのは難しいが、今のT2Kで反ニュートリノで走るというのはCPには行かないながら やることがある。MINOSはニュートリノと反ニュートリノで振動のΔm^2が異なっていると示唆を出していて、 これをT2Kで確認をすることはやる必要があること。 Q(山下)物理的には何を意味しているのか? A(中平)CPTの破れ。 C(小林)NOVAが行きそうだから、、、というのは敗北主義な考え方。 Q(小松原)仮にtheta13の値が大きい場合、精密化はNOVAにやらせて先に進むという手もあるのでは。 A(小林)結局パワーが必要だというのは変わりがないのだが、将来につなげていくためにはsignificanceを上げる だけでなく、bandを細くしていく(精度を上げる)ことは必要。 Q(三原)それで何がわかるかというと? A(小林)theta13の値自身の精度を上げていくと何がわかるか、理論的に何かあれば知りたい。 C(中家)ニュートリノモードで5σでtheta13を確立するのに数年かかるとして、それが反ニュートリノでも 出ているか、cross sectionのスタディをすることでやはり数年かかる。10年先近くまではT2K+その延長として 走るだろう。 C(市川)NOVAとT2Kは片方だけ走っていれば意味があるものではない。NOVAは物質効果くらいしか見えない 可能性もあり、T2Kでtheta13を押さえていることは重要。 Q(石井)仮にJ-PARC加速器が1MWしか行かなかったとしても巨大ニュートリノ検出器を作る意味があるのかどうか? C(山下)巨大をもっと巨大にすればよいのではないか。掛け算なのだから。 C(生出)巨大なものを作るより別の加速器を作った方が安いかもしれない。 Q(山下)海外との競争という考え方は当然あるが、協力という考え方はないのか。例えばJ-PARCがよいのであれば J-PARCに全部リソースを集中するとか。 A(中家)すでにT2Kにヨーロッパ200数十人、アメリカ70〜80人入ってきているのはかなりの国際協力。フェルミ ラボも含めてというのは、フェルミラボをつぶすかどうかという議論になるのでは。また、そうなったとしても 高エネルギーのリソースがそのままJ-PARCに来ますか?ということは疑問。 Q(山下)加速器にお金を出してもらうことはできないのか?国際研究所にして加速器にも出してもらうとか。 C(西川)そういう議論はトップダウンでやるべきでなくて、J-PARCがきちんとパワーを出せば自然にそのような形に なりうる。アメリカはアメリカでやると言うかもしれないが。。。組織をまず作って、という必要はないだろう。 C(山下)組織の話というより、そういう考え方はあるのかな、という質問。 C(丸山)液体アルゴンのmaturityの話が出ていたが、一応ICARUSという1kt近い検出器は動いていて、そこで 物理と技術的なことはやっている。1年半ほど稼動している。ICARUSのコラボレーターはKEK液体アルゴンの コラボレーターでもあり、まったく話にならないような状況ではない。R&Dでmatureになるところまでというのと、 今稼動して確立していることというのは当然異なる。 Q(山下)100ktにするのにICARUSクラスを100個作るのではいくらくらいになるか? A(丸山)実際の金額はわからない。