「イントロダクション」質疑応答議事記録 (録音を元に編集)


Q(丸山)小さい分野ごとでタウンミーティングを行なう意義を教えて欲しい

A(山下)全体会合では物理の観点で5つの分野(エネルギーフロンティア、ニュートリノ、フレーバー、
地下素粒子、宇宙観測)に分けて話した。あるいは実は3つ、TeVスケール、ニュートリノ、宇宙関係
(インフレーション)と言えるかもしれない。ただ、物理の観点だけだと議論が総花的になってしまった、
という反省があった。個別タウンミーティングはそういうことを見越して計画したわけではないが、例えば
J-PARCだけをとってみてもよく議論しなければならないことは山のようにある。なので、それぞれの所での
問題をしっかり議論する目的である。先日IPMUで行なった宇宙・地下分野でのタウンミーティングをやって
よかったのはどういうところに議論の焦点があるのか明確になったこと。今回のJ-PARCミーティングでも
そういうことを期待している。また、9月10日にあるコライダータウンミーティングではLHCアップグレード、
リニアコライダーを議論する。そういったところでよく議論し、もう一度全体会合を行なう。足りなければ
秋にもタウンミーティングを考えている。

Q(西川)それぞれのタウンミーティングでのまとめがあって、それが弘前大での学会で問題提起されるのか?

A(山下)そうなるように最大限努力する。。。

Q(西川)先ほど言われたIPMUでのタウンミーティングではどのような問題点が明らかになったのか。

A(山下)一つは宇宙線関係に関して高エネルギー分野が勝手にいろいろ決めて欲しくない、という意見があり、
その点については連携して進めていくのだという話をした。もう一つはニュートリノでの将来計画として加速器
としてはメガワットのパワーだが、陽子崩壊も含めた次の大型測定器に対して水チェレンコフなのか液体アルゴン
なのかはもっとちゃんと議論すべきという意見が出された。(と聞いている。)
そういう議論を先送りすることなくやり、タイミングを逸することのないようにしたい。

Q(西川)一つめの問題は、、、具体的にはどういうことか?

A(山下)学術会議とも関連がある。分科会として素粒子・原子核、宇宙・天文という母体があり、コミュニティ
として意見を言える道筋が決まっている。しかし、宇宙線はニッチになっている。どちらかに加わることも
ありえるが、天文の観点で宇宙線研究をしている方々もいればファンダメンタルな観点からやっている方々もいて、
分派闘争になってしまう。そのあたりに苦しみがある。

A(中家)もう一つは、ダークマターやダブルベータなど、これまで宇宙線や原子核コミュニティが強く関わる
実験でやってきたところであるので、いきなり高エネルギーの将来計画として持ってくるのではなく、ちゃんと
話し合って進めて欲しいというコメントが来ている。

A(山下)神岡関連実験とはもともとよく連携してやれているのではないかと感じているが、宇宙線全体も
関連するので難しい。

A(中家)各タウンミーティングのまとめの話だが、学会での講演はテーマ別タウンミーティングと対応した
構成になっていて、宇宙・地下については井上委員と羽澄委員が、J-PARCは中家委員、コライダーは花垣委員が
話すことになっている。